■ オルターネーターの修理にチャレンジ! (N/A 編)
report: 2003/09/07
update: 2012/01/03


でいとなてい♪さんが CITY of life の workshop に ターボ車用のオルタネーターのブラシ交換 をアップされたので、僕は N/A 車用のオルタネーター(素材提供:のりちょんさん)のブラシ交換の方法を解説してみます ^^)

※ EII、EIII、R-HyperShift は TURBO 車と同じ構造なので、でいとなてい♪さんの記事 を参照してください。



まずはこの 3 本のプラスのビスを外します、が... 多分、固着していて回しにくくなっています ^^;
無理に回そうとすると頭をナメてしまいますので、固いときは無理をせず、ネジ部に CRC-556 などの浸透性潤滑剤を吹いてしばらく待ちましょう。

もし、ショックドライバーがあれば、最初からそれを使った方が安全です!



次に裏返して端子側です。

緑の矢印のナットは対辺が 8mm、赤は 10mm です。コンデンサーや絶縁ブッシュなど、細かい部品が外れますので組む時にわかるように場所は良く覚えておきましょう(絶縁ブッシュは内径が違うので、物理的に逆にはつきませんが)。



これで、ハウジングとステーターが分離できます。



これがブラシです。

今回の素材では、電装屋さんでオーバーホールしてからの使用距離が少ないので、あまり磨耗していませんね。この状態でブラシの長さは 10mm 位です。サービスマニュアルによると、ブラシの長さの標準値は 15.5mm、限度値は 5.5mm とあります。



ブラシはこの 2 個所で半田付けされているので、この半田を溶かして外します。
※ 半田を溶かすには 60W 以上の半田ゴテが必要です。



取り外したブラシ(下の 2 個)と新品のブラシ(上)。

余談ですが外す前に測定したところ、基準値の中間ぐらいの長さしかなかったので交換することにしたのですが、実際にはブラシ本体は 3mm 位しか減ってませんでした(今回のオルタネーターは、電装屋さんで O/H したときに短めにセットされていたようですね ^^;)。



ブラシを半田付けします。

マニュアルどおり 15.5mm でセットしようとすると、ブラシが飛び出すギリギリぐらいになりました(電装屋さんが "ちょっと短め" にセットした気持ちが良くわかります ^^;)。

ブラシは先端が斜めになっていますので、向きを間違えないようにしましょう(ブラシホルダーの角度に合わせれば OK です)。更に、スプリングを入れるのも忘れないで下さいね〜。



ローターとステーターを組む時は、ブラシホルダーの穴に爪楊枝のようなものを挿し、ブラシが飛び出さないようにすると簡単に取り付けることが出来ます。

あとはバラした時と逆の順序での組み立てです ^^)



今回はついでにベアリングも交換してみました。

フロントベアリングを外すためには、ハウジングからローターを抜かなければなりません。そのためプーリーとファンを外します、が... プーリーボルトを外すためには、ローターが回らないように固定しなければなりません。実は、ローター軸の中心にそれ用に対辺 6mm の六角穴があります。ここに 6mm の HEX レンチを入れて固定します。ダンパーを交換する時と同じ方法ですね。

ただし、このナット(21mm)は 5.0〜7.5kgm で締めてありますので、それなりの覚悟が必要です(写真の HEX レンチは、緩める時に 30°位ねじれました ^^;)。また、ローターにはプーリーやファン、カラーなどが同軸に刺さっていますので、抜く時には順番と向きを忘れないように注意しましょう!



プーリーが外れてローターがハウジングから抜ければ、フロントベアリングの交換は 3 本のプラスビスを外すだけです。ビスを外せば手で取り外せます。



リアベアリングは圧入してありますので、ベアリングプーラーで外します。
※ 汎用の 2 本爪、3 本爪プーラーだと、爪を薄く加工しないとスリップリングとのクリアランスが足りず、爪をうまく掛けることが出来ないと思います。

ベアリングの圧入はプレスが無くてもハンマーで OK です。ハンマーで直接叩くとベアリングやオイルシールを痛める可能性がありますので、不要なソケットのコマなどを使ってインナーレースだけを叩くようにしましょう!サイズ的には 12mm のソケットのコマが丁度良い感じでした(\980 のソケットセットもこういうときに活躍しますので、1 つ持っていても損は無いですね ^^)。

あとは組み立てるだけですが... プーリーの取り付けナットの締め付けは注意しましょう!締め付けトルクは 5.0〜7.5kgm です。締め足りないと、走行中にプーリーが外れちゃいますよ〜!



ベアリング交換はちょっと大変です。ベアリングプーラーが用意できなかったり、プーリーナットの緩め/締め付けに自信が無い場合は、プロにお願いしましょう!ちなみにベアリングは "ゴソウダンパーツ" で、ホンダからの出荷は止まっているようです(2003/09 現在、片方だけ在庫があるようですが)。

でもご安心下さい!これは汎用ベアリングなので、町の自動車部品屋さんなどで簡単に手に入ります。
価格は 2003/09 に入手した価格ですが、純正より 2 割りぐらい安いです。また、ブラシもまだホンダから手に入りますが、電装屋さんで買った方が安いですよ!