■ 折れたウインカーレバーを直そう!
report: 2008/07/22
update: 2011/10/14
update: 2011/10/14
シティのウインカーレバーが折れるのは有名な話ですが(^^;)、万が一折れた場合、ホンダからは既に補修部品としてコンビネーションスイッチが出ませんので、中古部品を探すか針金などを使って自力で補修するしかありません。まぁ、ちょっと器用な人でしたら補修は難しくないのですが、oga-EG では万が一のときに試行錯誤をしなくて良いように、ステンレス板のレーザーカットで補修キットを作成してみました!
ちなみに、シティで使用しているコンビネーションスイッチのメーカーには TEC 社と TR 社がありますが(以下 TEC と TR)、折れるのは TEC だけで TR は折れません。
写真左は 折れない TR のレバー保持金具、真ん中は 折れる TEC のレバー保持金具、右はそれが折れたところです。
基本的に靭性の少ないアルミの鋳物でクランプを作るのが間違っていますよね ^^;
TR は開口部を狭くしてクランプ部がしなる量を少なくしているため、折れにくなっていると思われます。
TR か TEC かは、ウインカーレバーの根元を覗き込めば判別できます。
左が 折れない TR 、右が 折れる TEC です。合口の広さが違うので簡単に判別できます。
カブリオレの場合はゴムの目隠しカバーがあるのでそのままでは見えませんが、ウインカーを左に出した状態でカバーをめくれば確認できます。まぁ、カブリオレの場合は折れる TEC のものしか見たことが無いのですが ^^;
ブルの場合はミーティングで 10 台ぐらいを確認したところ、TR と TEC が半々ぐらいでした。特に前期がどちらということもなく、適当に混在しているようです。
これが作成した補修用部品キットです。
補強金具は業者さんに依頼して 0.3t のステンレス板をレーザー加工で切り出してもらいました。数量が少ないので金型を起こすと単価が非常に高くなってしまうので、レーザー加工が普及していて助かりました。
ビス類はステンレスの M3.5 です(入手しにくいから M3.5 なんて変なサイズを使わないでよ ^^;)。
まずは補強金具のケガキ線に沿って折り曲げ、このような形に成型します。
折り曲げるときは、写真のようにラジペンなどでケガキ線に沿って強く挟んだ状態で折り曲げてください。
0.3t とはいえステンレス板ですのでかなり固いです。きっちり挟んで折り曲げないと変な形に曲がってしまいますので注意してください。
出来ればケガキ線をもう少し深くし、手で簡単に曲げられるようにしたかったのですが、今回お願いした業者さんのレーザー加工機では "切る" か "痕をつける" かのどちらかしか出来ませんでした。
次に仮組みを行いますが、その前にコンビネーションスイッチをステアリングシャフトから外します。
取り外さないとウインカーレバーを固定する E リングの取り付けがかなり困難ですが、取り外さずに作業した方もいます。
外す手順は以下のとおりです。
1. バッテリーのマイナスを外す(スイッチにはバッテリー直のラインが来ています!)。
2. ステアリングを外す。
3. コラムカバーを上下に分割して外す(ビス 8 本)。
4. ウインカーレバーを上下に動かしてコンビネーションスイッチを固定しているネジ 2 本を外す(左の写真)。
5. コンビネーションスイッチを反時計回りに回転させながらシャフトから抜く。
3. で上側のカバーを抜きにくい時は、メーターカバーを外すか、ステアリングシャフトを固定しているナットを緩めてシャフトを下げます。
次に一度このように仮組みを行い、完成状態を確認しましょう。
ビスを通すツバの部分は、10x10mm と 8x10mm の 2 種類があります。
レバー保持金具との干渉の関係で、写真のようにレバー保持金具の根元側(ナット取り付け側)に 8x10mm のツバが来るように取り付けます。
組み立て時には、ビスやワッシャはこのような位置関係で取り付けます。
後で解説しますが、ビスの頭とコラムカバーのクリアランスが少ないので、間違えてビスの頭側にワッシャなどを組み込まないように注意してください。
仮組みで様子がわかったら本組みを行います。
まずはウインカーレバーのハーネスを輪の中に通し、ビスと白いスペーサーだけを取り付けます。
レバー保持金具の矢印側の穴には雌ネジが切ってありますので、ビスは締め付けた状態で固定できます。
次にウインカーレバーの切り欠きとレバー保持金具の回り止めの突起が合うようにして、レバーを差し込みます。
# 折れているから、写真が撮りやすい ^^;
レバーを差し込んだら E リングをレバーの溝に取り付け、レバーを固定します。
ビスに平ワッシャ、スプリングワッシャ、ナットの順で取り付けます。
ナットは二面幅 6mm ですが、二面幅 6mm の工具がなければラジペンなどで締めましょう。
ナットを締めるとビスが緩む方向に力が加わりますので、
ナットを締める → ビスを締める → ナットを締める → ビスを締める...
と、何度か繰り返して確実に締め付けます。
頻繁にウインカー操作時の力が加わりますので、確実に締め付けないと、後日緩んでしまう可能性がありますよ!
あとはコラムカバーやステアリングを元に戻して完成なのですが...
個体差によってはウインカーを右に出したときに、ビスの頭とコラムカバーが干渉する可能性があります(oga 号は大丈夫でした)。
少しでも干渉を防ぐために、ビスは一般の "ナベ頭" ではなく "バインド頭" を入手しましたが(バインドの方が 0.5mm 位薄い)、万が一、ビスの頭がコラムカバーと干渉する場合は、コラムカバーの矢印の部分をヤスリやカッターなどで削ってください(写真はウインカーを左に出した状態)。
カブリオレの場合は本来はこのようにゴムの目隠しカバーがビスで固定されているのですが...
折れたレバー保持金具の形状を復元するために、内径 4φ(外径 8φ) のスペーサーを合口の部分に取り付けたので、カバーの固定部をビスで取付けることが出来なくなっています(^^;)。仕方が無いので共締めしている部分のゴムはニッパで切ってしまい、裏からゴム系の接着剤などで軸に固定して逃げましょう(^^;;;)。
oga 号はまだレバーは折れていないのですが、予防措置としてこの補修キットを装着しました。装着しておけば、万が一レバー保持金具が破断しても少しグラグラするだけで、ビスを増し締めすれば OK ですので ^^)
ただ、レバー保持金具が破断していない状態で作業をしようとすると、ウインカーレバーのハーネスを保持金具の合口の部分から抜き差しするのに少し苦労します(合口が狭いため)。作業時はハーネスの中の電線が平らになるように並べながら行うと、何とか抜き差しすることが可能でした。
この補修キットは、ご希望の方に \2,000 でお譲りします。
実際に作業をしてみるとちょっとイライラするようなところもあるんですが(^^;)、一から補修方法を考えるよりはかなりお手軽だと思います。
ナットの締め付けはラジペンなどでも何とかなりますが、確実に作業したい方には \250 で 6mm のコンビネーションレンチをお譲りします。値段どおりの安物ですが、ラジペンよりは確実な作業が出来ますので、個人的には購入をお勧めします ^^)
上記のウインカーレバー補修キット、6mm コンビレンチの購入をご希望の方は、pboe001(アットマーク)ogaeg.jp まで mail でご連絡ください。発送は、定形外郵便、レターパック 500、宅急便が可能です。
また、oga が参加するミーティングでも販売しますので、お急ぎで無い方はそのときにでも ^^)