■ 破れたバキュームコントローラーを直そう!(30104-PD1-911/912 編)
report: 2008/08/18
update: 2011/10/14


このページでは、30104-PD1-911/912 のリペア方法について解説します。対象車種は以下のとおりです。

    ・TURBO II (MT)

基本的な分解/組み立て方法については 30104-PC0-015 / 30104-PC0-901 と同様ですので、こちらでは異なる部分についてのみ解説します。必ず、30104-PC0-015 編30104-PC0-901 編 も参照してください!



これが 30104-PD1-911/912 です(以下、-911 と略)。



-911 では -901 と同様の理由で、多少形状の異なる日産プレーリー用のバキュームコントローラー(日産品番:22301-32R02)のダイヤフラムを流用しました。

写真上がプレーリー用、下の左が -911 下段用、下の右が -911 上段用です。

プレーリー用が外径 65.0φ、-911 が 63.5φ で、形状も若干異なるのですが、かなり似ています。



-911 では、ハウジングの形状の関係で、ダイヤモンドディスクが使えません。



上下のハウジングのカシメを外すと、上段と下段がハウジングの中で写真のような構造でつながっています。

スプリングを縮めながら引っ掛け部を横にずらし、上下に分離します。



全部分解するとこのようになります。

写真を撮るときに並べ忘れたのですが(^^;)、左上のトップハウジングとその隣のスプリングの間に受け金具が 1 枚あります。



上段は -015 と同様に、軸に M6-P1.0 のダイスでネジ山を切り、M6 ナットで固定します。

ただ、-911 の場合はネジ山を切れる長さが短いので、少しでもネジ山の長さを確保するために、カシメは左下の写真のようにドリルではなくリューターで外しました(ドリルで揉んで外すと、軸の内側がすり鉢状に凹むため)。

ネジ山が短いので右下の写真では高さの低いナット(三種:高さ = 3.6mm)を使用していますが、通常のナット(一種:高さ = 4.8mm)でも問題ありません。

固定時には、緩み防止とリーク対策のために、耐熱性のある接着剤(JB ウェルドなど)を併用します。



下段は -901 と同様に、軸に M3-P0.5 のタップでネジ山を切り、ステンレス M3x10 六角穴付きボルトと 10φx1.5t のワッシャで固定します。

固定時には、緩み防止とリーク対策のために、耐熱性のある接着剤(JB ウェルドなど)を併用します。

※ 2008/10 追記: 穴あけ/タップ立て用治具 を作成しました(貸し出し可)。



後は -015 編-901 編 を参考に組み立てます。

ハウジングを組み立てるときは、"ロッドの平面部"、"下側ハウジングの取り付けネジの穴"、"ハウジングの負圧ホース接続部" それぞれの相対的な角度が、元通りになるように注意して組み立てます(写真参照)。



リペアで使用する部材の供給については こちら